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Kichi's Journal吉のワイン⽇記

2024/08/21

リムニオ 〜古代ギリシャからの贈り物〜

吉 Kichi

ワインを造り、世界中のワインについて学び、そしてワインをこよなく愛するキツネの吉だよ。
世界中のすばらしいワインをみんなに知って欲しいと思っているんだ!
このブログでは、ブドウやワインのこと、生産国や歴史について、僕が知っているちょっとした豆知識を紹介していくね。

ワインの醸造家
エキスパート
ギリシャの秘宝とも言えるリムニオは、エーゲ海北部に位置する長方形の島、レムノス島が原産地と言われる希少な黒ブドウ。今日はそんなめずらしいリムニオについて紹介するよ!

ギリシャの秘宝とも言えるリムニオは、エーゲ海北部に位置する長方形の島、レムノス島が原産地と言われる希少な黒ブドウだよ。

 

 

リムニオは珍しいだけでなく、多くの歴史家が信じているように、現代まで生き残った最も古いギリシャのブドウのひとつなんだ。

実際、ヘロドトス、ホメロス、アリストテレスといったギリシャの文人や哲学者が、リムニオ・ワイン(当時は「レムニアン・ワイン」または「リムニアン・ワイン」と呼ばれていた)について言及している。

つまりリムニオを飲めば、古代ギリシャ人(それも普通の古代ギリシア人じゃなくて超有名なギリシャ人!)が情熱的に描写したワインの世界を垣間見ることができるってこと。

リムニオを飲むことは、歴史の鍵穴から過去を覗き見るようであり、浜辺に稲妻が落ちたときに目の前で閃光が走る瞬間のようだと言えるかもしれない。

あるいは、時の壁に張り付いたちっぽけな虫になって、タイムトラベルしているような気分になるかも。

そう、リムニオはありきたりのワインじゃない。

ギリシャ人の酒宴とインスピレーションの燃料であり、ギリシャを西洋文明の基盤にした源なんだ。

そしてリムニオは、計算された理性と哲学に貢献したのと同じく、愛と退廃を引き起こす愚かな行動や衝動の引き金でもあった。

要するにリムニオは、人間を人間たらしめるものは何かを思い出させてくれるワインなのさ。


悠久の歴史の味

では、ギリシアの悠久の歴史は一体どんな味がするんだろう?

リムニオはピノ・ノワールに似ていて、軽いボディとタンニン、そして適度な酸味がある。

でも、口に含むとピノ・ノワールとは全く違うよ。

ピノ・ノワールが 『キノコや納屋の香り』が強いのとは対照的に、リムニオは良い意味で『草の香り』が強いんだ。

月桂樹の葉の香りに真っ先に気が付くだろうし、タイムやミント、セージも少し感じられるかも。

そう、全体的にハーブ特有の甘さと爽やかさにあふれているんだ。

さらに、チェリーやサワーチェリー、野生のブラックベリーや熟したザクロの風味も含まれている。

 

 


リムニオに合う料理

リムニオは、タンニンの槍が舌を刺したりしない、『重すぎない』赤ワインを探している人々にとってピッタリじゃないかな。

さらに古いタイプのワインであるにもかかわらず(なんたって2千年以上昔からあるんだから!)、思いつく限りどんな料理とも合わせられる。

ムサカー、スパナコピタ、スブラキなどのギリシャ料理はもちろん、鶏肉料理やパスタにもよく合うよ。

和食に関しては、僕のおすすめはマグロやお刺身だな。(これはピノ・ノワールに合う料理と同じだね。)

ちょっと冒険してみたい気分なら、お好みの野菜の天ぷらと合わせてみたらどうかな。


マケドニアのリムニオ

マケドニアのリムニオ

 

今回、GrapeFoxがお届けするのは、レムノス島のリムニオではなく、アレキサンダー大王が生まれた土地であり、ギリシャの魅力的なブドウ栽培地域であるマケドニアのリムニオだよ。

アスラニス・ファミリー・ワイナリーの100%オーガニックのリムニオ・ワインは、数ヶ月間オーク樽で熟成させてでき上る、希少なワインなんだ。

アスラニスのリムニオは、見事な抽出法で他のワインにはめったに見られないピュアな個性を引き出している。

まるでこのブドウの真髄を、そのまま結晶化したような味わいだよ。

香りにはバラ、チェリー、ギリシャの山茶、月桂樹の葉が感じられる。

口に含むと、サワーチェリー、バニラ、シナモン、ミントやセージなどのハーブの繊細なキスにうっとりしちゃうかも。


ぜひ飲む前に少し冷やして、目を閉じて味わってみて。

リムニオがあなたを、古代ギリシャの世界に連れて行ってくれるから。