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Kichi’s Universe吉の物語

その光は11匹の美しいキツネから放たれていました。
「吉、よく来たね。来るのはわかっていたよ。我々は十二狐騎士団だ。
さぁ、こちらに来て一緒にワインを飲もう」1匹の美しいキツネが言いました。

吉は尻尾を後ろ足に挟んで、ゆっくりと、慎重に近づきました。
この別世界のような場所で、どう振る舞えばいいのかわかりません。
このように美しく神秘的なキツネを、今まで見たことがなかったのです。最年長のように見えたその美しいキツネは、吉にワインの注がれた金色のゴブレットを手渡しました。

サクランボ、スミレ、イチゴ、そしてヨーグルトの香り。
...吉は今まで味わったことのないような美味しいワインに言葉を失いました。それはまさにこの11匹の神々しく美しいキツネたちにふさわしいワインのように感じました。

「ピノ・ノワールかな…」吉はぽそりと独り言のように呟きました。
「正解だ。」最年長のキツネは嬉しそうに答えました。「今夜のような美しい夜に収穫されたのだよ。」
「その方が涼しく、ブドウの温度が保たれるからです」と吉は少し得意げに付け加えました。
「また正解だ!」最年長のキツネは暖かい声で叫びました。

「このために、我々は暗闇の中で光を放つ特別な能力を持っている。
人間が夜眠って休んでいるときに、ブドウを摘めるだろう?」

「 恐れることはない。」と最年長のキツネは続けます。
「吉、おめでとう。君は十二狐騎士団の1匹に選ばれたのだ。
我々の使命は、世界中を旅し、人々へワインの奇跡を届けることだ。」

「どうして僕が?」吉は信じられずに尋ねました。
「君の祖父 八は、十二狐騎士団の創設者だよ。君がワインを愛するのは決して偶然ではない。
君の中に流れている血がそうさせるのだ。」

吉は思ってもいない展開に動揺していました。
「でも...いったいどうやって世界を旅すればいいんでしょうか?」

あたりはとても静かでした。
十二狐騎士団の11匹のキツネは自信に満ち溢れ、あたたかく微笑んでいました。

「僕はどうやって世界を・・・」

その時でした。突然、足の下から冷たい空気が噴き出すのを感じ、
からだが地面から浮き上がったのです。吉のフサフサの尻尾がもの
すごい速さと勢いで回転し、まるでヘリコプターのように宙に浮い
たのです。

飛んでいる吉

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