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Kichi's Journal吉のワイン⽇記

2022/09/04

琥珀色の魅惑|アンバーワイン・オレンジワインについて

吉 Kichi

ワインを造り、世界中のワインについて学び、そしてワインをこよなく愛するキツネの吉だよ。
世界中のすばらしいワインをみんなに知って欲しいと思っているんだ!
このブログでは、ブドウやワインのこと、生産国や歴史について、僕が知っているちょっとした豆知識を紹介していくね。

ワインの醸造家
エキスパート
最も歴史のあるワイン製造法で造られる琥珀色のアンバーワイン。オレンジワインとも呼ばれるこのワインは、見事な銅色と明るいキャラメル色で見る人を楽しませてくれる。この記事では、今人気のアンバーワインと他のワインとの違いについて紹介していくよ。

古代よりのワイン「アンバーワイン」

今回はアンバーワイン、別名「オレンジワイン」のお話をするね。

 アンバーワインは、現代のものが古代からのものにいかにインスピレーションを受けているかを示す、一番いい例だと思うんだ!

まだあまり多くの人に知られていないこのアンバーワイン、別名オレンジワインは、実はヨーロッパ大陸では何千年もの間、作られ続けてきたんだよ。

このワインは、果汁と果皮を巨大な土器に貯蔵すること作られていて、知られている限り最も古いワイン製造法の一つなんだ。

そして、なんと今でもこの製法が使われているっていうんだからびっくりだよね!

 

 

アンバーワインの製造方法とは?

製造方法を詳しく説明する前に、アンバーワインがどんなものかを紹介しなくちゃね。

 

アンバーワインとは、白ブドウを使って赤ワインのように醸造したものを指すんだ。 

赤ワインを造る場合は、ブドウを搾って果汁を得た後、皮と種をつけたままマセラシオン(醸し)と呼ばれる工程を経て醸造するんだ。

マセラシオンによってワインはタンニンを得て、あの美しい赤色と素晴らしい風味になるんだよ。

逆に、白ワインを造るには、ブドウの果皮を完全に取り除く(果汁だけを残す)か、ごく短時間放置する。つまり、白ワインを造るときには、マセラシオンの工程が全くないわけではないけれど、すごく時間が短いってこと。

これが、白ワインが淡い色になる理由なんだ。だからあの緑っぽかったり、灰色がかっていたり、あるいは金色に見えたり、まるでパレットみたいに多彩な色になるんだ。

 

これに対してアンバーワインは、赤ワインと白ワインの中間のような醸造方法で造られるんだ。白ワインを造るときよりも長く、でも赤ワインよりは短い時間、白ブドウの皮を果汁に浸しておくことで、見事な銅色と明るいキャラメル色が見る人を楽しませてくれるアンバー=琥珀色のワインが生まれるってわけ!

ちなみにアンバーワインは、果汁と果皮を発酵までの一定期間接触させることから、スキンコンタクトワインとも呼ばれているんだよ。

どう?アンバーワインの製造法はなんとなく分かったかな?

 

アンバーワインの秘密

 

この巨大なつぼみ型の土器を見て。なんだと思う?

これは、

  • ギリシャでは「アンフォラ」
  • ジョージアでは「クヴェヴリ」
  • アルメニアでは「カラス」

と呼ばれる、アンバーワインの醸造には不可欠な道具なんだ。

ジョージア地方のアンバーワインが世界的に有名だから、ここではこの土器のことをクヴェヴリ(Qvevri)と呼ぶことにするね。

 

クヴェヴリは、浸漬、発酵(酵母が糖分をアルコールに変えるプロセス)、および貯蔵に使用されていたんだ。

1つのクヴェヴリには最大で2トンのマスト(果皮と種)を入れることができるんだよ。

満杯になったクヴェヴリは、まるで砂浴びをするように砂をかけられて、容器の縁だけを出してすぐに地中に埋められる。

そして半年後(時にはそれ以上待つことも)、ワインは飲み頃を迎えるんだ。

 

 

こうしたクヴェヴリ方式によるアンバーワイン作りは、ジョージア地方では今でも大切な文化的、儀式的、宗教的伝統なんだよ。

ジョージアの人たちは、涙を誘うような詩を朗読しながらアンバーワインを飲むこともあるんだって。

 

 

楽園のお花畑のようなワイン

僕は、このアンバーワインをGrapeFoxのラインナップに加えているよ。

生産者はAttilio & Mochiアッティリオ&モキ)。彼らが新しい試みとして生み出したこの「アンバー2019」は、あまりのおいしさに、はだしで踊り出したくなっちゃうくらいだよ!

Attilio & Mochi「アンバー2019」

 

 

見た目はどうかな?

名前の通り、琥珀がかった美しい金色!

無濾過ワインなので少し濁っているけど、心配しないで。

このワインは自然製法で作られているから、多少の澱(おり)があるのは当然で、飲んでも全く問題ないよ。

 

香りはまさに、デイジー、ポピー、チューリップ、ハイビスカスなどが咲き乱れる、お花畑のような華やかさ。

一口飲むと、トロピカルな香りが口いっぱいに広がるよ。

マンゴー、パイナップル、桃、アプリコット、ライム、そして最後にほんの少し蜂蜜のタッチが感じられる、本当にエレガントなワインなんだ。

 

この素晴らしいワイン造りに成功したAttilio & Mochiに、盛大なる拍手を!

興味があったらぜひ商品ページを覗いてみてね!

では、また次回をお楽しみに!