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Kichi's Journal吉のワイン⽇記

2022/10/30

「ワインの品質」とはなにか

吉 Kichi

ワインを造り、世界中のワインについて学び、そしてワインをこよなく愛するキツネの吉だよ。
世界中のすばらしいワインをみんなに知って欲しいと思っているんだ!
このブログでは、ブドウやワインのこと、生産国や歴史について、僕が知っているちょっとした豆知識を紹介していくね。

ワインの醸造家
エキスパート

「このワインは良いワインだ」とよく聞くけれど、結局それってどんなワインなんだろう。人によって好みはいろいろだけど、ワイン界では素晴らしいワインとそうでないワインを区別するのに役立つ共通の指標があるんだよ。この記事では、そういった「ワインの品質とはなにか」について説明していくよ。

 

「良いワイン」とはなんなのか

よく「品質が重要だ」という言葉を耳にするけれど、ワインに関しては特にこれが当てはまるんじゃないかと僕は思うんだ。

まずいワインを飲むと、食事だけじゃなくてその日1日が台無しになったような気分になっちゃうよね。

たった一度まずいワインにあたってしまっただけで、同じ品種のブドウのワインは二度と飲まない、と思ってしまうかもしれない。

それだけじゃなくて、ひょっとしたらワイン自体に、もうずっと背中を向けてしまう可能性だってあるかもしれない。

これって大げさに言っているんじゃなくて、知らず知らずのうちに、適当にワインを買うことで誰にでも起こりうる悲劇なんだよ。

テーブルに置かれたワインがまるでエンジンオイルのような味がした、なんて体験のある人は、意外に少なくないんじゃないかな。

 

人があるワインを好きだと思う理由、逆に好きじゃないと思う理由はなんだろう?

好みはいろいろだけど、ワイン通の間では、素晴らしいワインとそうでないワインを区別するのに役立つ共通の指標があるんだよ。

その指標について説明するために、まずはあなたがブラインドテイスティングに招待されたと想像してみて!

そこで提供されるワインの品種、原産国、ヴィンテージ、ブランドは一切明かされていない。

さて、どうやったら優れたワインを見分けることができるかな?

 

ワインを評価するときに何を見るべきか

 

ワインでまず注目するべきなのは、全体を構成している成分のバランスだよ。

これはアロマだけでなく、味わいや口の中の全体的な感覚にも影響するんだ。

ワインは、アルコール度数、甘さ、酸味、水分量、タンニンといった重要な構成要素で造られている。

素晴らしいと評価されるワインは、こうした要素がエレガントかつ調和的に調整されているんだよ。

逆に例えば、極端に甘みが強くて酸味の少ないワインは、にごった味になりがちだーとか、

酸味が強くて甘味がほとんどないワインは、だし汁でも飲んでいるような感じがするーだとか。

 他にも、最初は美味しく飲めるのに、後の方になると苦みが出てきて、舌が縮こまっちゃうようなワインもある。

これはタンニンと関係があるんだ。

良いワインはタンニンを上手に調整することで味に磨きをかけて、まるでベルベットかシルクのようになめらかに感じられるはず。

 

ワインの風味

もちろん、ワインの味を決める重要な要因の1つとして、風味も外せない。

すばらしいワインは、複雑で、多層的で、寛大なんだ。

そして最初から最後まで、いろんな風味を次々と放ってくれる。

逆に悪いワインは、単調で繰り返しの多い、壊れたレコードみたいだよ。

 

例えば、タンニンが弱くてグリップがなく、ちっとも味わいが深まらない水っぽいワインがあるとしよう。

こういうワインは、「背骨がない」と言われているんだ。

退屈で面白みがない上に、語るべきストーリーもない。

つまり、「自分がない」ってことだよね。

こんなワインは、僕に言わせればまずいワインってことになる。

もちろん、個人的な好みを悪く言うつもりはないんだけどね!

 

単調と言えば、熟成の過程でわざと多くのオーク材に触れさせて、果汁全体に木の風味をまぶしているワインがあるんだよ。

こういうワインは、まるで木の皮を噛んでいるような味がするんだ。

木の皮で歯みがきしている僕たちキツネの言うことだから、信頼できるでしょ?

ワインを飲んだら歯みがきの時の味がするなんて、最悪だよね!

ところが木の風味を強めるために、削った木くずをワイン樽に加えるワイナリーさえあるんだよ。

これはワイン醸造家の風上にも置けない行いだ。

それに僕たちキツネに言わせれば、そんなのワインの色をした液体歯みがきを造っているようなものさ。

 

ワインは取り扱いに細心の注意を

気をつけなくちゃいけないのは、時には良いワインでさえも飲めなくなることがあるってこと。

その理由はいろいろあるけれど、ワインの製造過程で予期しないミスが起きたとか、保存状態が悪かったことなどかな。

例えば、あるワインを飲んだら、窓拭き用の洗剤やカビの生えた地下室のような臭いがしたとしよう。

こういうワインは、ブショネ(Bouchonne)またはコルクテイント(cork taint)と呼ばれているんだ。

その名の通り、このようなワインにはTCAに感染したコルクが使われている。

TCA(トリクロロアニソール)とは、ワインを悪臭を放つ飲めたものじゃない代物にしまう化合物のことなんだ。

うえっ!想像しただけで口がひん曲がっちゃいそう!

 

他にも、大昔に流行ったディスコミュージックよりももっと前に造られたような、古臭くてくたびれた味わいのワインが出される場合もあるよ。

これは、そのワインを保存していた人が、温度、湿度、光の当たり方を全く無視したせいかもしれない。

うう、考えただけでぞっとしちゃう!

 

 

愛情のこもったワインを選ぼう

 

僕は、厳選された特別なワインを提供することに、全力を注いでいる。

GrapeFoxが取り扱うワインはどれも、ワイン造りに情熱を傾ける生産者たちが、すべて手作業で造り上げた芸術品なんだ。

ひとつひとつの細部へのこだわりは、生産者にとってが人生のルールでもあって、彼らはワイン造りにありったけの愛情を注ぎ込んでいる。

僕は、そんな彼らのことを、みなさんにもっと知って欲しいと思っているよ!

 

ワインの好みはとても個人的なもので、僕はそれを尊重している。

GrapeFoxのワインを選ぶかどうかにかかわらず、僕はみなさんのワインの旅が素晴らしいものになるように祈っているよ。

だからこそ、「ワインは品質がすべて」という大切なことを覚えていてほしいんだ。

 

じゃあ、また次の記事でね!