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Kichi's Journal吉のワイン⽇記

2023/05/15

マラグジア〜ブドウの復活について〜

吉 Kichi

ワインを造り、世界中のワインについて学び、そしてワインをこよなく愛するキツネの吉だよ。
世界中のすばらしいワインをみんなに知って欲しいと思っているんだ!
このブログでは、ブドウやワインのこと、生産国や歴史について、僕が知っているちょっとした豆知識を紹介していくね。

ワインの醸造家
エキスパート

ギリシャ固有のブドウ「マラグジア」という品種を聞いたことがある人は少ないんじゃないかな。今日はそんなマラグジア」について解説するよ!

 

マラグジアはギリシャ固有のブドウで、おそらくほとんどの人が聞いたことがないんじゃないかな。

その理由は、ギリシャでしか栽培されていないこと、そして、実はマラグジアの大部分が...技術的に死んでいたからなんだ。

1980年代までは、ギリシャのワインショップやバーでマラグジアを注文したりしようものなら、店員さんから訝しげな顔をされるのが関の山だったんだ。

自分のギリシャ語の発音が間違っているんじゃないか、とおどおどしちゃったかもね。

 

マラグジアの歴史

マラグジアの歴史は、1970年代にギリシャの大学教授、ヴァシリス・ロゴテティス博士がナフパクティア(西ギリシャ)でこのブドウを発見し、「ユーレカ!(ギリシャ語で「やった!」)」と歓声を上げたところから始まった。

ロゴテティス博士はそのブドウの挿し木をして、弟子でギリシャの有名なワインメーカーであるヴァンゲリス・ゲロヴァシリョーに手渡したんだ。

その結果、マラグジアは冥界の門を破って復活を遂げただけでなく、ギリシャ国中に広まったんだよ。

その結果、僕たち酒飲みは、狐も人間も関係なく、永遠にブドウのために「カンパイ!」と祝杯をあげることになったってわけ。

 

神々の飲み物

 

僕はいつだってブドウの木とその実には感覚があると信じてきたんだけれど、マラグジアほどそれを証明するブドウはないんじゃないかな。

春の花と柔らかなバラの香りに満ちた壮大なアロマ、白い果実、シトラス、マンゴー、パイナップル、バナナの風味を持つマラグジアは、ヤシの木の下で紺碧の海を眺めながら飲むのにぴったりだよ。

まさにギリシャ神話の神々が飲んだとされる「ネクター(果実酒)」そのもののような、素晴らしくエレガントなワインで、中程度の爽やかな酸味がある。

このワインを飲むと、タイムマシンを使って過去に戻り、自分の手でマラグジアの木を復活させてみたいな、なんて妄想が広がるかもしれないね。

もしみんながマラグジアを飲めば、この世から戦争も悲しみもなくなり、人生はお祭りとか楽しいことだけになるんじゃないかな。

僕が言いたいのは、マラグジアは自分が息を吹き返したことを知って、ギリシャ人であろうとなかろうと、僕たち全員に恩返しをしたいって考えているに違いないってこと。

 

 

ギリシャのワインはギリシャ人しか飲めない?!

ギリシャのワイン産業は全体的に復活しつつあって、地元のブドウから作られたワインはどんどん世界中に輸出されているんだよ。

ギリシャで栽培されているワイン用ブドウの95%は、ギリシャ国内で消費されているって知ってた?

それだけ美味しいんだから、ギリシャ人が独り占めしたくなるのも仕方ないよね。

残りの5%しか国外には輸出されていないんだけど、なるべくたくさんみなさんにお届けできるように、これからベストを尽くすよ!

ギリシャワインの未来を切り開くために、マラグジアほどピッタリなものはないんじゃないかな。

 

GrapeFoxのマラグジアワイン

では、GrapeFoxのラインナップにある「マラグジア」のワインを紹介するよ!

 

ギリシャ本土の最南端に位置するペロポネソス半島のアイギアレイアの斜面で育ったマラグジアで造られた、カナカリスワイナリーの「カナカリス 10³ マラグジア 2022」。上質な澱の利用と、非常に低い温度で36時間、果汁とマール(果実酒かすを蒸留したもの)を接触させることで、香りの複雑さと持続性をもつエレガントなワインが生まれました。豊かなアロマとクリスタルのような酸味で、質の高いモダンな味わい。果汁とマールの接触により、香りの複雑さと持続性をもつエレガントなワインです。

 

 

 

 

ギリシャ本土の北方に広がるマケドニア地方のコザニという標高575メートルの小さな静かな村にあるベリディスワイナリーの「シャルドネ マラグジア 2022」。マラグジアとシャルドネを、これ以上ないほどにエレガントにブレンド。白い花の香り、ハーブとや柑橘類、スパイスのニュアンスを感じます。

口に含むとボリューム満点、白い花の質感が続く。ミネラルと生き生きとしたさわやかな味わいが広がります。