美味しいワインを造るには原料であるブドウ選びが重要!ワインに合ったブドウを使って適切な方法で造る、素晴らしい香りのする天国のようなワイン。この記事では、何百種類もあるブドウの中から、僕がおすすめするブドウで造られた白ワインを紹介していくよ。
Kichi's Journal吉のワイン⽇記
2023/07/30
プティ・シラー 〜ワイン界のフランケンシュタイン〜
ワインを造り、世界中のワインについて学び、そしてワインをこよなく愛するキツネの吉だよ。
世界中のすばらしいワインをみんなに知って欲しいと思っているんだ!
このブログでは、ブドウやワインのこと、生産国や歴史について、僕が知っているちょっとした豆知識を紹介していくね。
エキスパート
ペニシリン、電子レンジ、プレッツェル。
これらは偶然の発見や発明が、僕たちの世界を変えた例だと思う。
プレッツェルに関しては単に僕が大好きってことで、リストに加えちゃった。ちょっと想像の翼を広げすぎかな。
でも、僕はみなさんにプレッツェルについて語りたいわけじゃなくて、ワイン界に衝撃を与えた、ある「発明」の話をしたいんだ。
よみがえったブドウ「プティ・シラー」の登場
「生きてるぞ!」
1880年のある日、フランス人の植物学者フランソワ・デュリフの温室の中で、そう叫ぶ声が響き渡った。
ついにデュリフは、難解で非常に珍しいブドウであるペロルサンとシラーの交配に成功したんだ。
そして出来上がったのが、側面に電極が巻き付いた金属っぽい真っ黒のブドウだった...。
いや、これはもちろん冗談だよ。
僕が言いたいのは、このブドウは電極こそないけれど、まさにモンスター級だったってこと。
みなさん、背筋が凍るような体験をする覚悟はできてる?
稲妻が走り、雷が鳴り響いて…。
ジャジャーン!
プティ・シラーの登場だ!
うーん...。思ったほど怖くなかったかも。
もう一度やってみよう。
準備はいい?
プティシラアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
どう?怖くなった?
やっぱりダメか...。
id="s02"「プティ・シラー」は決して小さくない
たぶん「プティ」という言葉のせいかも。
「小さなシラー」なんて、誰も怖くないよね。僕もそう思うよ。
でも、みなさんはこのブドウを恐れるべきなんだ。
その理由を教えてあげよう!
プティ・シラーの親はシラーなんだけど、子どもはその愛らしいポニーのような名前とは裏腹に、色、味、香りなどすべての面で親を凌駕する存在なんだ。
プティ・シラーは、果実の大きさこそ小さいけれど(だからこの名前が付いた)、人間や僕たちキツネの間では最もパンチの効いた果汁のひとつとして有名だよ。
そして、あの月のない夜の井戸の底のような暗いワインを生み出すのさ。
その理由は?
簡単に言うと、果肉よりも果皮が多いので、果汁に抗酸化物質が大量に含まれていることになるからだよ。
つまり、永遠の若さの泉を求める人には、まさにピッタリってこと。
警告:強烈なタンニンあり!
香りを嗅いだだけで、ネオンサインのようにはっきりした目立つ特徴に気が付くはず。
警告:このワインには強烈なスモーキーさ、レザー、アニスの香りが含まれている!
もしあなたがこの警告を無視して、勇気を持って(あるいは愚かにも)一口飲んでみることを選んだとしたら、プティ・シラーのラスボスに立ち向かうことになる。
それは、圧倒的なカカオ!盛りだくさんのブルーベリー!そして濃縮された紅茶!
…ほら、だから言ったでしょ?
実際、プティ・シラーを一度でも試したことのある人は、この小さな果実が産み出すタンニンの塊に魅入られてしまう。
他のワインが、カフェイン抜きのコーヒーみたいな味に感じてしまう人もいるくらいだよ。
まるでプティ・シラーが僕たちを、ロウソクが両端から燃えるような、すべてが強烈に光り輝くワインの新しいフロンティアに連れていってくれたみたいだ。
同時にたくさんのことが起こるから、感覚が麻痺してしまうかもしれない。
21世紀らしいといえば、そうかもしれないね。
そう、プティ・シラーは時代の精神を最もよく表しているワインと言えるんじゃないかな。
高速無線LAN、絶え間ないニュース報道、宇宙ロケットなど、目まぐるしく移り変わる現代にピッタリだよね。
ロケットとプティ・シラー
そして宇宙ロケットといえば。
プティ・シラーが最も多く栽培されているのはアメリカで、その多くは素晴らしいブレンドワインを造るためのブドウとして使われているんだ。
例えば、カリフォルニアでは、プティ・シラーが、カリフォルニアで最も生産量の多い主要品種であるジンファンデルを、他のどの品種よりも引き立てることをワインメーカーが発見した。
プティ・シラーはワインに「骨格」を与え、熟成の可能性をもたらしてくれる。
実際、ほとんどのプティ・シラーは10年以上熟成させることができ、それでもまだ生きているんだよ!
そう、プティ・シラーは生きているんだ。
そしてプティ・シラーを飲む僕たちも、生きている!
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