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ヴィティス・ラブルスカ種と「フォクシー・フレイバー(狐臭)」

ワインを愛するみなさん、こんにちは!
このブログではワイン醸造キツネである僕、吉が、ワインやブドウについてのちょっとした豆知識を紹介していくよ。
みんなが僕の話を読んで、より一層ワインがおいしく感じられるようになれば嬉しいな!

最初に取り上げるのは
そう、ヴィティス・ラブルスカにしよう!
森の中で暮らしていた頃、よくこのブドウに出くわしたよ。
通りすがりにパクッと一口食べるのにぴったりだったんだ!
いうなれば僕の携帯用おやつのようなものさ。

ヴィティス・ラブルスカ

 

ヴィティス・ラブルスカ種とは?

ヴィティス・ラブルスカ

 

でも、ワイン醸造用のブドウとしては。うーん、ちょっと合わないと思う。
別名「キツネブドウ」(僕にちなんでこの名前が付けられたんだったりして!)として知られるこのブドウは、ブドウ科の中で「不死身の種」と言われているんだよ。


どんな気候にも適応する力強さを持っているのに、ヴィティス・ラブルスカ種自体は実はあまり知られていない。
それどころかこのブドウは、従兄弟にあたるヴィティス・ヴィニフェラ種が王様扱いされているのと真逆で、ワイン醸造家からは嫌われちゃっているんだ。
なんでかって?理由は簡単だよ。
ヴィティス・ラブルスカ種には、ワインに求められる繊細さがなくて熟成に向いていないからなんだ。


従兄弟分のヴィティス・ヴィニフェラ種からは、ピノ・ノワール、シラー、カベルネ・フランをはじめとする素晴らしいワイン用のブドウが造り出されている。
でも、ラブルスカ種はせいぜいジャムやキャンディー用のジュースくらいにしか、利用されていないんだ。


とはいっても、ヴィティス・ラブラスカ種がワインの世界で全く役に立っていない、ってわけでもないんだよ。
ラブルスカは、フィロキセラという害虫に対する抵抗力がすごく強いので、他のブドウの木の台木として使われることもあるんだ。

 

ヴィティス・ラブルスカ種がワイン醸造に向かない理由とは?

だけど、ワイン醸造用のブドウとしては?
さっきも言ったように、まるで病原菌であるかのように嫌われちゃってる。
ラブルスカ種特有の酸っぱさと極端な甘さは、ワイン醸造にはまったく向いていないからね。
それに、匂いが鼻につくとも言われてる。
あのムスクの匂いを、人間は「野生の獣の匂い」と呼んでいるみたいだね。
この言葉の意味を理解するのは、キツネの僕にはなかなか難しいよ!

ゴールデンレトリバー

 

ラブルスカ種の匂いは、人間に言わせれば、ゴールデンレトリバーがプールに飛び込んで、そのあとで庭を走り回りながら身体をブルブルッと震わせて水をまき散らしているときの、あの「濡れた毛」の匂いらしいんだ。プールに飛び込むのは僕たちキツネじゃなくて犬なのに、どうしてこのよくない匂いを「フォクシー(狐臭:こしゅう)」って言うようになっちゃったんだろう。
そうそう、「キツネ臭い」ことについては、僕たちキツネにはまったく責任はないからね!
この話はまた後で。
話を元に戻すと、つまりヴィティス・ラブルスカ種が多くのワインの専門家から避けられているのは、しかたがないことなのかもしれない。

でも、北アメリカで活動する勇敢なワインメーカーが、このブドウですばらしいワインを作り出そうとしているんだよ。
果たして、彼らの挑戦は成功するかな?いつか、ヴィティス・ラブルスカ種が脚光を浴びるチャンスはあるのかなぁ?
僕は、そうなったらいいなと思ってるよ!
八じいさんも言ってたよ。「ブドウに罪はない」って。
味わっていく内に、ブドウの風味に対する態度や考えは変化していくからね。
このヴィティス・ラブラスカ種の木から生まれるたくさんのブドウのうちのどれか1つがハイブリッド化されて、みんなが驚くような素晴らしいワインになる可能性だって十分にあるんじゃないかな。
今のところ、この考えはかなり突飛なものに思えるかもしれないけど。
でも、ワイン醸造家と僕たちキツネは、いつも新しいワインを生み出すチャンスに目を光らせているんだから、わからないよ。

それに、地球の温暖化が進むにつれて、数十年前にはブドウを育てるなんて考えられなかったような涼しい地域で栽培の実験を始めているワイン醸造家もいるんだ。
パタゴニアでブドウを栽培したいって?
きっとちょっと前なら、「ハハハッ!」と鼻で笑われたよ。
でも、今はそうでもない。
気温がものすごい速さで変化し未来が読めない環境では、全気候型で害虫耐性の強い、まるで4WDのオフロード車(!)みたいな不死身のヴィティス・ラブルスカ種の価値が認められて、ワイン界を救う可能性だってないとは言い切れないよね!
でもだからといって、地球温暖化がこれ以上進んでほしいわけではもちろんないけれど。

 

フォクシー(狐臭:こしゅう)とは?

ところで、例のイヤな言葉「狐臭」についてだけど
やっぱりキツネとして、一言、言っとかなくちゃ!
さっきもちょっと触れたけど、「狐臭」というのは、ワインの世界では刺激的で、臭くて、人を寄せ付けないような匂いを意味する言葉として使われているんだ。
誰がこの漢字を選んだのかって?
それは僕にもわからない。

でも、僕のワインブランドGrapeFoxにとって、言葉はとても大切なんだ。
ワインと同じように言葉も、成長し混ざりあって、解釈が無限に広がっていくものだから。
僕は、ワインを造るキツネなわけだけど、厳密に言えば、僕が造るワインはどれもちょっとはキツネっぽいかもしれない
でも、決して臭くはないよ!
あるワインが「狐臭がする」って言われたとして、それが「素晴らしい!」とか「絶妙な複雑さを持っている」という意味であれば、僕だってとっても光栄に思うんだけどなぁ
うん、でも、耳を垂らして落ち込んでる場合じゃないよね。
このブログを読んでくれた人が、このことについて関心を持ってくれたら嬉しいな。

読者のみんなが協力してくれたら、すべてのキツネに言語的正義を取り戻せるかもしれない!
そうだ、犬も仲間に入れてあげよう!
ワインになにか欠陥があると、同じ理由で 「濡れた犬」の匂いがすると言われることがあるんだ。
すごく不公平な話だと思わない?
じゃあ、ワインに含まれる嫌な匂いのことをどう呼んだらいいかな。
う~んと
そうだ!「カビの生えた新聞紙」の匂いっていうのはどう?
みんなは他にどんな名前が思いつくかな?
ぜひSNSのコメントでアイディアを聞かせてね。
よろしくお願いします!じゃあ、また!