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Kichi's Journal吉のワイン⽇記

2022/10/10

オーガニックワインとナチュラル(自然派)ワインの違いについて解説

吉 Kichi

ワインを造り、世界中のワインについて学び、そしてワインをこよなく愛するキツネの吉だよ。
世界中のすばらしいワインをみんなに知って欲しいと思っているんだ!
このブログでは、ブドウやワインのこと、生産国や歴史について、僕が知っているちょっとした豆知識を紹介していくね。

ワインの醸造家
エキスパート

最近よく耳にする「オーガニックワイン」と「ナチュラルワイン」。どちらも体に良さそうだけど、どう違うんだろうと思ったことはない?この記事では「オーガニックワイン」と「ナチュラルワイン」の違いについて説明していくよ。ワインメーカーが丹精込めて作ったワインをみんながもっと好きになってくれると嬉しいな。

前からワインをよく飲んでいた人も、最近ワインのおいしさに目覚めたばかりの人も、きっと「オーガニックワイン」や「ナチュラルワイン」「自然派ワイン」と書かれた商品を一度は目にしたことがあるんじゃないかな?でもさ、その違いを不思議に思ったことはない?

 

まずは「オーガニックワイン」や「ナチュラルワイン」の基本的な違いから

 

すごく簡潔にいうと、オーガニックワインの「オーガニック」は、「ワインに使用されるブドウの栽培方法」に関する言葉なんだ。

それに対してナチュラルワインの「ナチュラル」は、「ワインの醸造工程で使用される方法」がナチュラルであることを意味しているんだよ。

 

オーガニック栽培のブドウから作られたワイン「オーガニックワイン」

オーガニックワインとは、農薬や除草剤などの化学物質を一切使用せずに栽培されたブドウから作られたワインのこと。

ブドウ畑はさ、いつだって無数の虫たちに狙われているんだ。いったいぜんたい、どうやって農薬なしでおなかを空かせた虫たちから逃げ切るのか、不思議じゃない?

 

花を植えて病害虫を回避!?

 

そこでブドウ栽培者は考えた!虫たちの裏をかく方法を思いついたんだ。

それは「花を植える」こと!特に羽をもって飛びまわる虫たちは、赤やオレンジの明るい色の花に惹きつけられるんだって。この虫たちの性質を利用して、ブドウ畑のあちこちに鮮やかなバラやマスタードを植えることで虫たちの注意をそらして、大切なブドウを守るってわけ。

それに明るい色の花は、いろんな種類の虫たちを惹きつける効果があるから、自然に捕食被食関係にある虫たちを同じ場所に引き寄せることもできる。これは、農薬を使わずに虫たちをやっつけるための最も賢い方法なんだよ!

「フィロキセラ」の話を読んだみなさんは、ブドウの木がいかに病気や害虫に弱いか、よく知っているよね。ブドウ畑にはたいてい花も植えられているんだけど、これは病害虫の蔓延をいち早く察知するためなんだ。つまり、花が病気になれば、その近くのブドウの木もすぐに病気になるかもしれないサインってわけ。花が悪い知らせをいち早く教えてくれることで、ワイン生産者は素早く判断を下すことができる。これは、ワインのビンテージ(その年の収穫されるもの)全体の運命を左右する可能性もあるんだよ。

 

家畜を利用しよう!

 

飛び回る昆虫の気をそらし、被害から回避するための方法を紹介したけれど地面を這う虫はどうするの?と思う人もいるかもしれない。 科学的に合成された肥料や農薬を使用しない「有機農業」には、ちゃんとその答えもあるんだ。

多くのブドウ農家では、ニワトリやガチョウを放し飼いにしている。彼ら動物たちは毎日、ダンゴムシや6本足の招かれざるお客さんをつまみ食いしながら、ブドウ園を楽しく歩き回っているんだ。つまり、無料のおやつとブドウの保護という、まさにWin-Winの関係が成立するってことだよね。

 

その他の方法

例えば、ブドウの木の幹に、油とニンニクを染み込ませたボール紙を巻くって方法もあるよ!虫はニンニクのにおいが嫌いなんだって、知ってた?まずはニンニクの匂い攻撃だ!

そして、もしもニンニクの匂いをものともせず幹をよじ登ろうとするつわものがいたとすれば、その虫たちは可哀そうにドロドロの油の沼にはまりこむ羽目になる。下で待ち構えているニワトリやガチョウたちのオードブルとして、ニンニク風味の油をまぶされちゃうってわけ!へへ!

 

自然の力を信じ「自然」に作られた「ナチュラルワイン」

ナチュラルワインとは、オーガニックブドウを使用してその土地由来の天然酵母の働きによって造られたワインのことを指すんだ。

人工的な添加物によって発酵を引き起こすのではなく、ブドウと果汁を寝かせておくことで発酵工程が自然に行われることを意味しているんだよ。

こうしたワインは濾過していないことが多いから、普通のワインに比べるとちょっと濁っているように見えるかもしれない。

 

「亜硫酸塩」とは?

みなさんはワインボトルの裏に貼られている日本語のラベルに「酸化防止剤(亜硫酸塩)」と書かれているのを見たことがあるかな?これがどんなものか疑問に思ったことはない?

どんなワインにも亜硫酸塩は含まれている。これはワイン製造において自然なことだからね。ワインメーカーは、香りや風味に影響を及ぼすかもしれない不要な微生物がワインボトル内で繁殖するのを避けるために、このような添加をしているんだ。

ナチュラルワインではないいわゆる普通のワインは、ナチュラルワインに比べてこの亜硫酸塩の量が少し多めではある。その分、亜硫酸塩はワインの最終的な品質を安定的に保証してくれるし、ナチュラルワインよりもずっと長く熟成させることができる。亜硫酸塩は、ワインにとってすごく大切な役割を担っているんだ。

 

GrapeFoxおすすめのオーガニックワイン

オーガニックワインであろうと、ナチュラルワインであろうと、レギュラーワインであろうと、一番大切なのはそのワインの品質だと僕は思う。

だからワインメーカーは、自分たちの作ったワインが素晴らしい品質と味わいを保つことを最優先にしているんだ。オーガニック、ナチュラルやレギュラーかなんてことは、本当は二の次なんだよね。

僕は、ワインが自然な製法で人々の努力によって造られていることには大賛成だし、その素朴でワイルドな味わいが大好きだよ!ナチュラルワインは時代の新しい精神を表している、という考えも刺激的だと思ってる。

今オーガニックワインやナチュラルワインが脚光を浴びていることも、ワインの世界によくある、終わることのない変化のサイクルの一部なんじゃないかなって思うよ。

そんな僕からおすすめするのは、イタリア・トスカーナ地方で少量生産・高級ブティックワインを生産する『ファットリア・ラ・ヴィアラ』によるオーガニックワインだ。

 

ファットリア・ラ・ヴィアラは、フィレンツェから80kmほど南にあるイタリア・トスカーナ地方、城壁に囲まれた美しい町アレッツォの街からほど近い、丘陵地帯に広がるオリーブ畑に囲まれた土地でワイン造りを営む、家族経営の美しいワイン生産者なんだ。

彼らのワイン造りは、すべての工程で自然との調和・共存、環境と地球の循環プロセスを大切にしていて、自給自足と環境に優しい農園であることを重視し、栽培期間中農薬不使用かつ有機栽培で行われ、再生農業を常に実践しているんだよ!

「IWSC(インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション)」や「DWWA(デキャンタ・ワールド・ワイン・アワーズ)」「ベルリン・ワイン・トロフィー」において「ベストワイン」「ベストオーガニック生産者」など、数多くの権威ある賞を長年にわたり受賞している彼らのワインを、ぜひ体験してみてね!